山上徹也被告が安倍元首相を殺害してから半年が経過しました。
刑事責任能力を見極めるため、精神鑑定をしたところ刑事責任を問えると判断されました。
今回は、山上被告に与えられる刑罰はどうなるのか調べました。
安倍元首相銃撃事件
山上被告は2022年7月8日午前11時半ごろ、近鉄大和西大寺駅北口で参院選の応援演説中だった安倍氏を背後から手製の銃で撃って、殺害したとされる。
引用：毎日新聞
安倍元首相は、選挙演説中に山上徹也容疑者によって銃撃され死亡しました。
日本では銃撃事件は珍しく、しかも手製の銃での殺害ということ多くの人を驚愕させました。
元首相が公衆の前で殺害されたことは衝撃な事件として記憶している人も多いでしょう。
山上被告に与えられる刑罰とはどのくらいになるのでしょうか？
山上徹也被告に与えられる刑罰とは？
奈良地検は山上被告を殺人と銃刀法違反（発射、加重所持）の罪で起訴しました。
殺人罪
殺人罪の成立要件にはこのような事象が必要となります。
殺人罪は故意に人を死亡させると成立する犯罪です（刑法第199条）。
殺人罪における故意とは、相手を殺害する意図（殺意）を指し、これには「相手が死んでしまってもかまわない」という意図も含まれます。
殺意は人の内面の問題ですが、その有無は客観的な状況をもとに判断されます。たとえば急所への執拗（しつよう）な攻撃があったか、ただちに救急車を呼んだかどうかなどの状況です。
引用：ベリーベスト法律事務所
山上被告は統一教会とつながりのある安倍氏を狙ったと語っています。
事件の一年ぐらい前から、手製の銃を用意し銃の威力を試して撃ちしていました。
これらのことから安倍氏を殺害する意思があったと言えるでしょう。
そのため、殺人罪が成立すると考えられます。
殺人罪の刑罰は「死刑または無期もしくは5年以上の有期懲役」です。
殺人罪の有期懲役について、実際に何年の刑になるのか（量刑）は事件によって大きく異なります。
なお、平成30年に地方裁判所で言い渡された殺人罪の有期懲役でもっとも多かったのは10年を超え15年以下の刑期でした。
殺人罪には原則として執行猶予は付きません。
引用：ベリーベスト法律事務所
殺人罪が認められれば、執行猶予なしの15年前後の刑期が言い渡されるでしょう。
銃刀法違反（発射、加重所持）の罪
銃刀法違反の刑罰は所持した物によって刑罰が異なります。
けん銃を所持していた場合、1年以上10年以下の懲役となります。
そして、けん銃等を発射した場合の刑罰は、無期または3年以上の有期懲役となります。
山上被告に与えられる刑罰は？
殺人罪による刑罰が執行猶予なしの15年前後の刑期の可能性が高いでしょう。
そして銃刀法違反の罪に関しては、発射及び所持をしていたことから10年前後の刑期が考えられます。
この2つを合わせると25年前後の有期懲役になるでしょう。
元弁護士である山上被告の伯父は、山上被告の刑罰についてこのように語っています。
殺人事件は裁判員裁判となり、被害者が1人の場合、懲役20年前後の実刑が相場でしょう。
安倍さんが亡くなったという事情を考慮しても、懲役25年の実刑といったところでしょうか。
引用：デイリー新潮
裁判員裁判となるため、選ばれた裁判員によって極刑や減刑など刑の重さが変わる可能性が高いでしょう。
世間では山上被告に対する極刑派と減刑派に二極化しているようです。
それぞれの意見についても調べてみました。
山上被告に対する極刑派の意見
山上被告の極刑を求めるオンラインの署名には2,354人が賛同しています。（2023年1月15日時点）
このオンライン署名サイトでは、山上被告に極刑を求める理由が3つあるとしています。
- 殺害に粗雑な銃器を使用し、多くの人々を巻き込む可能性があった
- 社会的影響が極めて大きい
- 再犯の可能性が高い
2007年に起きた長崎市長射殺事件では死刑の判断が下された判例はありました（後に無期懲役に減刑）。
今回の事件も社会的影響が大きく極刑が相応しいとしています。
また、犯行動機が統一教会に対する恨みということから、釈放後に統一教会関係者に復習する可能性が高いとしています。
このようなことから極刑を求めているようです。
そして、ツイッターでも極刑を求める声がありました。
やはり日本の総理大臣を経験した安倍氏を殺害したということが極刑を求める一番の理由のようです。
減刑を求める声もまとめてみました。
山上被告に対する減刑派の意見
山上被告の減刑を求めるオンラインに署名には、12,878人が賛同しています。（2023年1月15日時点）
減刑を求める理由は下記の2点でした。
- 過酷な生育歴を鑑みての温情
- 本人が非常に真面目、努力家であり、更生の余地のある人間であること
山上被告は、父親の自殺、母親の教団への寄付による破産、難病の兄の自殺といった過去があります。
苦悩を抱えながらも、様々な資格を取得したり、再起を図ろうとしてきました。
また事件後、統一教会の実態が明らかとなり、政治が動き出していることも事実です。
これらのことから減刑を求めているようです。
ツイッターでも減刑を求めるツイートがありました。
山上被告に過去に同情して減刑を求める人が多いようです。
まとめ
今回は山上被告の刑罰について調べました。
懲役25年の実刑判決の可能性が高いでしょう。
世間では極刑と減刑を求める声が二極化しています。
そのため裁判員裁判によって選ばれた裁判員次第で、極刑にも減刑にも刑が左右される可能性がありそうです。
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